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2023.06.01
時代とともに変化してきた前橋の交通に関わる様々な風景を紹介する「前橋交通物語」シリーズ。
本日は風景紹介とは少し異なりますが、上電マニアの間では有名と噂の「幻の延伸計画」について探ってみました。
◆上毛電鉄「上毛線」
前橋市には、JR両毛線・JR上越線に加えて、上毛電気鉄が通っています。
上毛線電鉄は、前橋駅から北へ約1km離れた中央前橋駅を起点に、大胡駅・粕川駅・新里駅(桐生市)・赤城駅(みどり市)などを経由して、西桐生駅(桐生市)までの25.4kmを結んでいます。
もしかすると前橋市にお住まいの方でも、「上毛電鉄」や「上電」の名前は聞いたことがあっても、実際に利用したことがない方は多いかもしれません。
でも、この路線の正式名称を上毛電鉄上毛線という通り、実は前橋市内のみならず群馬県内、さらには埼玉県まで路線を伸ばす計画がありました。この広大な路線網が実現していれば、あなたの家の近くにも上毛電鉄の駅があったかもしれません。
~上毛電気鉄道上毛線路線図(略図)~
(国土地理院地図電子国土WEBを加工)
赤線…上毛電鉄上毛線
黒線…JR線
~上電の代表的な3駅~
上から
゜中央前橋駅
ガラス張りの開放感のある駅舎です。
゜赤城駅
東武特急も乗り入れていて、東京スカイツリーや浅草まで乗り換えなしで行けます。
゜西桐生駅
開業当時からの駅舎で、関東の駅百選にも選ばれています。
◆合計100kmに及ぶ延伸計画
今ある上毛電鉄上毛線は、1928(昭和3)年2月に着工後、超ハイスピードで建設され、同年11月には全線開通しています。(今から、約100年前!)
この上毛線に加えて、国から建設許可が下りなかったものも含めると、こんな延伸計画がありました。
①大胡~伊勢崎~本庄
②群馬総社~三俣
③本庄~藤岡~吉井
④新町~藤岡~鬼石
⑤前橋~高崎
⑥本庄~寄居
⑦西桐生~深谷~川越
①~⑦を地図に合わせてみると、こんな感じです。
~上毛電気鉄道の延伸計画図(略図)~
(国土地理院地図電子国土WEBを加工)
赤線…現在の上毛電鉄上毛線
黒点線…計画線
(延伸計画一覧・延伸計画図は群馬県立博物館発行「ぐんまの鉄道」を参考に作成)
かなり広大な路線網になりますね。
馬場川沿いのブルーボトルコーヒーで朝のコーヒーを買って、桐生でひもかわうどんを食べて、川越の菓子屋横丁でおやつタイム。夜は華蔵寺公園でジェットコースター。そんな休日を上電だけで過ごせたかもしれません。
「小江戸」川越まで上電に乗って、旅行ができていたかも…
こんな広大な延伸計画も、昭和恐慌や戦況の悪化、戦後の急速な自動車の普及といった影響を受け、実現することはありませんでした。
しかし、上毛線沿線には素敵なスポットやおいしいお店やおしゃれなお店、開業当時から頑張る電車や建物など、見どころはたくさんあります。
(おすすめスポットの紹介はまたの機会に、、、)
少しでも気になった方は、今度のお休みに上毛電鉄に乗って出かけてみませんか?
上毛電鉄ホームページや前橋まるごとガイド、前橋市観光政策課のInstagramなども、覗いてみてくださいね。
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