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前橋交通市民ディスカッションレポート

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2022.09.22

公共交通を利用している、または今後利用する可能性のある市民の方々に意見を伺い、公共交通に対するニーズや課題を把握することを目的に開催されている「前橋交通市民ディスカッション」。

2回目となる今回も、「前橋市の公共交通機関をどう感じているか?」「前橋の公共交通を知ってもらうためには何が必要か?」について意見交換をしていただきました。  

はじめに、前橋市役所の浅香さんより前橋市の公共交通の現状について簡単な紹介がおこなわれました。 

※まだ公開されていない、年内リリース予定の資料も登場!

浅香さん:前橋市では現在、前橋市内のバス会社6社と共同でバスのダイヤを見直し、“使いやすい公共交通機関”の実現に向けて見直しを進めています。また、電車、バス、タクシーなどさまざまな交通手段を1つの移動サービスとして提供するMaeMaaS(まえまーす)の運用を開始。経路検索から予約、決済までを一括でおこなえる新しいサービスの提供なども始めました。 

しかし、未だ市街地と郊外で交通網に差があったり、コロナの影響もあり公共交通機関を利用する人が減っていたりなどの課題も抱えています。 

今回は、変化し始めた交通の現状を知ってもらいつつ、みなさんが身近に感じている公共交通の便利な点、不便な点を整理しながら、未来の公共交通機関についてディスカッションをしていただければと思います。よろしくお願いします。 

必要だけど、課題もある公共交通

今回ディスカッションに参加したのは、前橋市の大学に通う大学生12名。それぞれ、自動車・電車・バス・自転車など、さまざまな移動手段を使って日々生活をしています。

その中でも「メインの移動手段は自動車」という学生が多く、公共交通機関を使用している学生はごくわずかでした。そんな学生たちが考える公共交通機関の利点と、なぜ公共交通機関を使わないのか?について、お互いに意見を出し合っていただきました。 

公共交通機関の利点として挙げられたのは、

・移動中の時間を有効活用できる
・クルマに比べて維持費が少なく、割安で利用できる
・自分で運転をしなくてよい
・どの方法で移動するかの選択肢が多く、状況に応じて使い分けができる
・交通事故のリスクが少ない

などの意見でした。

特に、自分で運転をしなくてよい、割安で利用できるという点は、若者・高齢者など世代を問わず魅力的な点として挙げられました。

逆に、公共交通機関を使わない理由としては、

・他人との距離が近く、パーソナルな空間がない
・支払い方法が複雑
・目的地までが遠回りになってしまう
・家の近くにバス停などがない

などの意見が挙げられました。

また、メインの移動手段が自動車だという学生たちの意見で多かった理由は「クルマのほうが便利だから」。公共交通機関と比べ、自分の好きな時に移動でき、バス停や駅が必要なく乗り場にも縛られない。雪の日や渋滞など運転するのが嫌だなと思う日はあっても、「総合的にクルマのほうが楽だから」自動車で移動することを選択しているようでした。

「最近公共交通機関を使ったのはいつですか?」という質問には、「中学生以来使っていないかも…」「最近だけど、海外に行った時だった」などの意見が。もちろん、現在進行形で通学に使用しているという学生もいましたが、「クルマがあったらクルマで移動してるかも…」との意見もありました。 

公共交通を未来に開くアイデア

自分は使わないとしても、公共交通機関がなくなってしまったら困る人がいるのも確か。地域のおじいちゃんおばあちゃんや子どもたち、観光で前橋市に遊びにきてくれた人などに便利に公共交通機関を使ってもらうには、公共交通機関を絶やさないことが重要になります。

しかし、このまま利用者がどんどん減っていけば、公共交通機関がなくなってしまうかも……?では、どうしたら公共交通機関を多くの人に使ってもらえるのでしょうか。2つ目の議題は、本サイト「前橋交通ポータル」ブログ記事の企画や、公共交通に関するイベント案などの「公共交通に興味を持ってもらうためのアイデア」についてです。

もっとも多かった意見は、YouTubeやInstagramなどSNSを通して若い世代への訴求をおこなうこと。学生らしい意見に、前橋市役所の方たちからは「自分たちでは考えつきにくいことだったので、訴求について考えていきたい」と前向きな反応が向けられました。 

その他にも、

・世代ごとに異なるアプローチで前橋市の交通について認知を図る
・イベントなどをおこない、乗ることを手段でなく目的とすることで、まずは公共交通機関を使ってみてもらう
・高齢者向けに、回覧板でmooove!を配布する
・車内広告を見やすくする
・有名人やアニメとコラボし、“推し”を通して若い世代が前橋の交通に触れる機会を増やす

など、さまざまな視点からの意見が集まりました。 

なかでも、「子どもに対して電車やバスなどの乗り方を知るきっかけづくりをおこないつつ、家族で一緒に前橋のまちなかを見てもらったり、バス停の位置を確認してもらったりするなど、小学校や中学校と連携することで公共交通機関に触れてもらう」というアイデアに対しては、「多くの場合、子どもの塾などは親がマイカーで送迎することが当たり前になっていて、電車やバスを使おうという発想にならないことが多いという課題がある。教育にスポットを当ててアプローチすることは市の方針ともマッチしていて、実現してみたい」と職員からも好感触なコメントがありました。

学生たちならではの意見が飛び交い、前橋市に新鮮な風を吹き込んだ市民ディスカッション。終わりに、前橋市役所職員・南雲さんより参加学生たちへコメントが述べられました。

南雲さん:本日はありがとうございました。普段からバス会社と一緒に『どうしたらバスがより便利になるか』を話し合っていますが、今日はいつもとは違う角度からの意見をたくさん聞くことができ、とても勉強になりました。便利にするだけでなく、認知してもらうことも考えていきたいなと思います。

また、ぜひ今日の内容を周りに伝えてもらえればなと思います。皆さんの声を聞く活動は今後も続けていきますので、引き続きよろしくお願いします。改めてありがとうございました。

ディスカッション終了後には、前橋市内で利用できるシェアサイクル「cogbe(コグベ)」の体験会がおこなわれ、実際に公共交通機関を利用するきっかけにもなった前橋交通市民ディスカッション。

これからも、よりよい公共交通機関を整備するためにさまざまな活動を実施していきます。ディスカッションも引き続き開催する予定ですので、ぜひ、引き続き皆様の声をお聞かせください。それでは、また次回のレポートでお会いしましょう!

 

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