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2022.04.11
公共交通の運転手さんに学生記者がインタビューし、人柄や大切にしていることを学生ならではの視点で発信していく企画。ここでは、紙面の記事と合わせて当日の様子をレポートしていきます。
■学生記者紹介
今回の学生記者は共愛学園前橋国際大学の皆さん。国際社会や地域観光、心理・人間文化などを学び、「地域を自分のこととしてとらえ、その未来を創る」ことを大切にし、地域活動にも数多く取り組んでいます。普段何気なく利用している公共交通の運転手さんへの取材を通して、どんなことを感じたでしょうか。
共愛学園前橋国際大学
岡田さん、大野さん、吉田さん、鈴木さん
■運転士が、当たり前の安全を地域へ届ける。
運転士:峯岸さん(上毛電気鉄道株式会社)
取材担当:岡田さん、大野さん
運転士の峯岸さんは、西桐生駅と中央前橋駅の間を一日約200㎞運転する。線路上の信号やホームでのミラーの安全確認を行い、丁寧な停車やドアの開閉をする。乗客に「当たり前の安全」を提供できる事を誇りに感じるそうだ。峯岸さんが電車の運転士を目指したのは、祖父の家が鉄道沿線にあったことで、幼少期から運転士に憧れたから。地域的な側面では、地域に根付いた鉄道会社であり、沿線の人々がイルミネーションを楽しみにしている。沿線から手を振る人々を見ると、地域の人々を目的地に安全に運ぶ事に喜びを感じると話す。
■無事着いてありがとうと聞いたときやりがいを感じます。
運転士:Mさん、Hさん(群馬中央バス株式会社)
取材担当:吉田さん、鈴木さん
バスへの憧れで運転手となったMさん。人を乗せるというプロ意識とプライドを持って業務にあたる。目的地に無事着いたときにやりがいを感じる。そんなMさんの前橋のおすすめスポットは「富士見町米野から見る夜景」。観光バスの乗務で17号が混雑しているときはここを迂回してよく通り、乗客に夜景を楽しんでもらった。
会社の養成制度で大型2種免許を取得したHさんは、「お客さんにありがとうございました」と言ってもらえたときにやりがいを感じるという。特にバスの乗務のときは言葉遣いに心がけてコミュニケーションを取っている。
二人は若者のバス離れを懸念していて、「バスは安全だから、ぜひ利用してほしい」とメッセージをくれた。
■取材を通して感じたこと
公共交通機関の運転手に話を伺うことで、私たちが普段から利用する公共交通機関は、どのような人がどのような思いで運転をしているのかを知ることが出来ました。
運転手の仕事は大勢の人々の命を預かる仕事の為、非常に責任を感じると思っていたのですが、命を運ぶ責任に加えて、お客さんに当たり前の安心安全を提供できる誇りや、地域の人々からの声が、乗客を乗せて日々運転することに対する「大きなやりがい」となっていることが、今回のインタビュー企画全体を通して分かりました。
■編集スタッフより
学生記者の皆さんは、事前に様々な質問を用意してインタビューに臨んでくれました。駅やバス事業所に伺い、実際の車両を見学しながら程よい緊張感のなか取材がスタート。次第に会話が盛り上がり用意した質問以上に様々なことを伺うことが出来ました。
例えば、上毛電気鉄道の峯岸さんはクリスマスが近づくと、運転士の皆さんと雑貨屋に出向きイルミネーションの準備をするそう。乗客が少しでも楽しい気持ちになれるよう、自分たちでアイデアを出し合い工夫する姿に感銘を受けましたし、地域とのつながりも感じることが出来ました。
群馬中央バスの取材では、紙面で掲載したやりがいや日頃心がけていることの他に、運転手さんならではの朝起きるための秘訣や運転を頑張るための朝コーヒーなど、人となりに迫る裏話も聞くことができました。
取材後、車両を運転する様子を見送りながら「貴重な経験になった。公共交通に親近感が湧いた。」と語る学生記者たち。自分たちの移動を誰かが支えてくれていることを今まで以上に実感した1日となったようです。学生記者の質問に丁寧に答えてくれた運転手・運転士の皆さんも本当にありがとうございました。